ピリオダイゼーション
アスリートが大事な試合や大会でピークのパフォーマンスを発揮するためにはなんとなくトレーニングしていてはいけません。そのトレーニング自体は競技にとって有用な物であっても、計画性のないトレーニングは逆に怪我の要因になってしまうこともあります。また、怪我をしてしまっていても計画的にピークを作り出すことで焦らずにリハビリやトレーニングに取り組むことができます。1年間をいくつかの期分けをして長期的または短期的にトレーニング計画を立てることをピリオダイゼーションと言います。
ピリオダイゼーションは主に移行期、試合期、準備期に分けられ、試合期はシーズンの長さによって前後半で目的が変わったりします。
以下の表は私が高校野球チーム対象に1年間のピリオダイゼーションを作ったものです。
ピリオダイゼーションは競技や年代、選手によって大きく変わります。その計画に明確な正解はなく選手、監督、トレーナーなどが連携して作ることが重要です。そうすることで選手は先の個人目標が立てやすくなったり、オーバーワークで怪我をするなんてことも防ぐことができます。
BMIと体脂肪率
BMI(body mass index)とは体重と身長の関係から算出される肥満度を表す体格指数の一つです。
以下の式で求めることができます。
例) 体重 60kg
身長 175cm
⇨ 60 ÷ (1.75)² = 19.6
BMIによる肥満指標は日本肥満学会とWHOによって定義されています。
この表によって自分の肥満度を知ることができるのですが、例外もあります。それは筋量の多い人です。筋肉は脂肪よりも重いという性質があるため、肥満体型ではないいわゆるムキムキの人はBMI指標では肥満となってしまうことがあります。そこで重要なのが除脂肪体重(Lean Body Mass)と体脂肪率です。
以下の表は男女別の体脂肪率指標です。
生物学的に男性より女性の方が体脂肪率が高くなるので男女では多少差が生まれます。
この指標とBMIを組み合わせた時に、仮にBMI値が高くても体脂肪率が正常であればそれは肥満ではないということになります。ただ体脂肪は特定の競技者を例外としても、人間の身体にとって必要な組織なので一般的な人はBMI、体脂肪率が共に標準値であることが理想であると言えます。
基礎代謝
基礎代謝とは安静時にも続く呼吸や心拍、体温の維持などの生命活動に必要なエネルギー代謝です。
基礎代謝量とそれに伴う1日のエネルギー必要量は性別、年齢、体重、身体活動レベルによって変わるので以下ではそれらを解説していきます。
○基礎代謝基準値
1日体重1kgあたりの基礎代謝量の目安
○基礎代謝量
例) 25歳女性 体重50kg ⇨ 22.1 × 50 = 1105kcal
○身体活動レベル
身体活動強度は3つのレベルに分けられます。
⚪︎レベルI
生活の大部分が座って行われて、静的な活動が中心。
⚪︎レベルII
座り仕事が中心だが散歩や家事、軽い運動をする。
⚪︎レベルⅢ
移動や立位での仕事が多い。運動感があり強度の高い運動をする。
○1日の必要エネルギー量
BMIや体脂肪率から自分に適する体型を求め、その後基礎代謝量、身体活動レベル、1日に必要なエネルギー量、そして摂取エネルギー量を計算することで過度な増量、減量を防ぐことが出来ます。またダイエットをしたい人はこの数字に基づき無理なく減量をすることができます。格闘家やボディビルの競技者は時に大きく減量をしなければいけないことがありますが、この数値を理解していれば身体に必要な栄養素を確実に摂取しながら減量することができます。
筋肉の収縮様式
身体の動きの中で働く筋肉の活動はいくつかの様式に分類されます。
その様式によって負荷やストレスが変わってくるので、トレーニングなどをする場合は筋肉の収縮様式もメニューを決める要素の一つとなります。
○求心性収縮
・筋の緊張により短縮。
・※起始と停止が近づく動き。
○遠心性収縮
・筋が緊張しながら引き伸ばされる動き。
・起始と停止が離れていく動き。
等張性収縮の場合、求心性収縮と遠心性収縮は交互に来ることが多いです。例えば、上のイラストのアームカールの場合肘関節が90度の位置から持ち上げる動作が求心性になり、降ろす動作が遠心性となります。また、重力の関係で求心性収縮で速度を上げ、遠心性収縮でゆっくりする事で負荷が高まるので、目的に合わせて速度も変えることが必要です。
○等尺性収縮
・筋全長に変化がない収縮。
体幹トレーニングでよく用いられるプランクはこの収縮様式となります。また、動かない壁や物を押す動作も等尺性収縮となるので、関節に対する負荷をあまりかけずに筋肉にトレーニングができますし特殊な機材なども必要ないというメリットがあります。
※起始・・・筋の両端のうち、筋の動きが小さい側。
※停止・・・筋の両端のうち、筋の動きが大きい側。
スクワット
スクワットと一言で言っても、様々な種類があります。そのため筋力トレーニング、動作改善、ダイエットなどその人の目的に合わせてその種類を選択する必要があります。また、どのトレーニングでもフォームは非常に重要な要素となり、このスクワットでは崩れたフォームで行うことで膝や腰への負担となり怪我を誘発してしまう可能性があります。
以下ではいくつかの種類があるスクワットのなかで比較的ポピュラーなものを紹介します。
○クォータースクワット
◾︎ 特徴
・日常動作や競技動作に近い形でトレーニングが出来る。
・大腿前面の筋肉をメインで鍛えることができる
・広い可動域での筋活動は期待できない。
・パワーポジションへの移行
○パラレルスクワット
◾︎ 特徴
・一般的にスクワットとして扱われることが多い形。
・お尻が床と平行
・クォータースクワットより大腿後面の筋肉を動員して行うことができる。
ゆっくり降ろし、素早くあげることでパワー(筋力×スピード)のトレーニングになる。
○フルスクワット
◾︎ 特徴
・最大可動域でのスクワット。
・姿勢維持のため、体幹と股関節周囲筋群の柔軟性及び筋力が必要となる。
・上げる過程で臀部の筋群がより動員される。
これらのスクワットのほかには、足の幅をや向きを変えたり、バーベルを前に担ぐことで強化したい目的の筋肉や動作を変えることが出来ます。ただ共通してやってはいけないこととしては、背中が丸まってしまうこと(体幹をキープすることで防げる)とニーイン(膝が内側に向いてしまうこと)です。また、スクワット時には足の中心(支持基底面の中心)に重心を置かないと後ろ側に引っ張られたり、目につんのめるような姿勢になってしまうので注意が必要です。
これらのことを意識してトレーニングや指導をしていくことが重要です。
大腿四頭筋
※中間広筋は大腿直筋の深層にあるため体表から触れることはできない。
○トレーニング
・スクワット
physicalbox2021.hatenablog.com
・フロントスクワット
・レッグプレス
・レッグエクステンション etc...
○ストレッチ
・膝関節屈曲位の姿勢(足首を持って後ろに引く)
➡︎ 少し斜めに引くことで内側広筋や外側広筋をメインにストレッチ出来る。
・股関節伸展位(大腿直筋)